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お釈迦様のおいたち
お釈迦様が生まれたのは、今から約2500年前の紀元前560年頃(諸説あるが、さまざまな
研究により、紀元前560年頃が最も有力)。父はインドのシャカ族、シュッドーダナ王、母は
マーヤー夫人である。マーヤー夫人は、臨月を迎え、里帰りをする途中のルンビニー園で、急に
産気づかれ、夫人の右脇腹から生まれたと、仏伝は伝えている。春の花香る4月8日であった。
シャカ族の王子として生まれたゴータマ少年は、その後もすくすくと育ち、何不自由のない生活を
送っていたが、あるとき、畑を耕すクワにひっかかったミミズを小鳥が食べ、その小鳥を猛禽類
であるタカが襲って食べる、というような光景に出くわし、動物が生きるためには他の命を奪わな
ければならないことに空しさを感じ、一人思い悩むようになった。
そんなゴータマ少年の姿を見た父のシュッドーダナ王は、ゴータマを外の世界に触れさせないよう
家臣達に見張らせ、ゴータマはいやおうなく城壁の中のみでの生活を余儀なくされた。父王は、
ゴータマが外の世界に興味を持たぬよう、家来を何人も付け、益々何不自由なく生活できるよう
はからったのだが、結局はそれが逆効果になったようである。ゴータマはどうしても外界に触れて
みたかった。
耐え切れなくなったゴータマは、父王に外へ遊びに行きたいと懇願したところ、それならばという
ことで、父王は大勢の家来と共に外出を許したが、ゴータマの目に少しでも見苦しいものが触れない
よう、あらかじめ沿道を清掃させ、香を焚き、花を撒かせておいた。にもかかわらず、東の門から出た
ゴータマは一人の老人を目にし、なぜ人間は老いなければならぬのかと思い悩み、城に引き返して
しまった。
また別の日に外出する機会があった。このときは南の門から出たのだが、こんどは一人の病人を
目にし、なぜ人間は病に苦しまなければならぬのかと思い悩み、また城に引き返してしまった。
また別の日に外出する機会があった。このときは西の門から出たのだが、こんどは一人の死人を
目にし、今までで一番大きなショックを受けたのであった。生きとし生けるものは、皆死ななければ
ならぬ。せっかく生まれてきたのに、誰しも例外なく、死に向かって生きていることになる。
ゴータマは大変悲しみ、さらに思い悩むことになる。
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